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令和元年12月定例会 所信表明

ページID:0003182 更新日:2019年12月9日更新 印刷ページ表示

はじめに

所信表明皆さん、おはようございます。

今回の12月定例会は、私にとりまして、市長就任後初めての市議会でございますので、議案の提案説明に先立ちまして、今後の市政運営に当たっての私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私は、このたびの市長選挙におきまして、多くの方々のお力添えに支えられ、市民の皆様のご信任をいただくことができ、誠に光栄に存じております。また同時に、市民の皆様の市政に対する期待の大きさを強く感じたところであり、これから市政運営を担わせていただく責任の重さに身の引き締まる思いでございます。

この上は、市民の皆様の幸せのため、長門市の限りない発展のため、全力を尽くしてまいる所存であります。

さて、我が国は現在、かつて経験したことのない人口減少と超少子・高齢化が進行している状況にあり、本市におきましても、基幹産業における後継者不在や従業員の高齢化、さらには、消費減退による地域経済への悪影響など、年々厳しさを増す社会経済環境に、いかに対処していくかが課題となっております。

しかし、手をこまねいていては、雇用の受け皿がなくなり、若者の定着が進まないばかりか、市の財源を維持することが困難となり、本市人口の43%に及ぶ高齢者の暮らしを今までどおり支えることも危うくなります。

そこで私は、まずは様々な角度から、本市の現状と課題を整理し、その上で、優先順位を付けて課題解決に向かう「選択と集中」により、私の基本理念であります「市民のいのちと生活を守る」まちづくりを早急に実現する必要がある、と強く訴え続けてまいりました。

そのためにも、市政運営を刷新し、智恵を絞り、果敢に挑戦することで、人口減少下でも持続可能なまちづくりを目指すとともに、子どもたちはもちろん、市民の皆様が心豊かに生活できるよう、「市民の皆様の声をしっかりお聞き」して、生活に密着した、きめ細かな生活基盤の再構築を実現していくための施策を展開してまいりたいと考えております。

一方で、今後の人口減少や多様化する市民ニーズに対応していくためには、将来にわたって持続可能で、強固な行財政基盤を確立することが必要であります。効率的で健全な行財政運営の基盤を創り上げてまいる考えであります。

私は、市長として新たな挑戦をスタートさせるに当たり、市役所組織を「戦う集団」に変革してまいります。利益を追求する企業の行動原則を、そのまま行政に当てはめることができないのは当然ですが、行政にあっても、企業における「顧客重視」、「コスト意識」、「スピード感」の3つの視点を取り入れることで、よりよい結果を産み出せる組織になる、と私は確信しております。

市役所の一番の顧客は、言うまでもなく市民であります。顧客ニーズを踏まえたサービスでなければ、顧客が離れていってしまうように、市民ニーズにかなったきめ細かなサービスを提供することにより、市民の満足度を高めていくことが今、市役所に求められているのであります。

加えて市民は、株式会社でいう株主に当たります。会社の株主は、予算・事業計画・キャッシュフローなどを厳しくチェックしています。そのため、経営者は株主に対して、しっかりと納得できる説明をしなくてはなりません。経営者は、株主が株式を売却せず、追加で購入したくなるような「魅力的な企業」を創っていかなければならないのです。

私は、こうした「企業の視点」を市政運営に取り入れ、株主に当たる市民に対し、税金の使い道や、その効果を分かりやすく説明することで、市民がまちから出て行かない、新たに市民になりたいと思っていただける「魅力的なまちづくり」を実現いたします。

そこで私は、市政運営に当たっての行動基準として、「市民重視」、「向上心とイノベーション」、「コスト意識とスピード感」、「情熱」、「フォア・ザ・ながと」の5つを掲げ実践してまいります。これらは、市役所の全職員が共有すべき行動基準であり、この基準のもと意識改革と能力開発に努め、真に求められる職員像として、人材育成を図ってまいります。

また、選挙中に市民の皆様からいただいた声を市政にしっかり反映させるため、この5つの行動基準を念頭に置きながら、これから始まる来年度の予算編成作業に臨んでまいります。

それでは、「市民が主役のまちづくり」に向けた、長門のまちをもっと元気にしていく、私の「3つの重点施策」につきまして、その概要を申し述べさせていただきたいと存じます。

 

1.市民目線のまちづくり

まず、重点施策の1点目は「市民目線のまちづくり」であります。

本市には、まだまだたくさんの課題がございます。私は、課題解決のための必要な施策につきましては、市民の皆様の声をしっかり聴く機会を定期的につくり、市民の皆様と議論する仕組みをつくろうと考えております。

そして、その議論の中から10年・20年先を見通した「まちの将来像」を描き、その上で「選択と集中」により、真に必要な施策を立案し、実行過程、そして費用対効果の検証まで、情報を公開しながら、「市民が主役、市民目線のまちづくり」を進めてまいります。

まず、市民の皆様にとって身近で頼りがいのある市政を実現していくため、健康、医療、福祉、教育、生活環境など、経常的に最も費用がかかる分野では、市民の皆様が真に必要であると思われる新たな施策の導入について、協議・検討してまいります。

次に、まちの中心部だけでなく、疲弊が急速に進みつつある、旧町地区のまちづくりについて、各支所における特色ある行政運営を実現するため、既存の市民のちから応援補助金制度の有効活用や小さな拠点づくりの考え方も取り入れながら、機能の拡充と権限の強化を図ってまいります。さらに、出張所や公民館の老朽化が進んでいる地区の皆様とは、一緒になって、今後の拠点施設のあり方について検討してまいります。

次に、まちの活力を生み出す上で重要となるのは「ひと」です。

私は、公民館やしごとセンター等を拠点とし、市民や移住者を対象に様々な分野のスペシャリストや地域リーダーの育成などを行う養成塾を設立したいと思います。ここを巣立った方々によって市内全域での地域活性化につなげてまいります。

また、若者やアクティブシニアをターゲットとし、人生第二の住み家として、長門市を選択していただけるよう、移住施策の強化を実施してまいります。

 

2.生活基盤の充実によるまちづくり

重点施策の2つ目は、「生活基盤の充実によるまちづくり」であります。

本格的な人口減少時代を迎え、地方全体に閉塞感が広がる中、本市が「住みたいまち」「住み続けたいまち」として、多くの方々に選んでいただけるには、地域の活力を更に高めながら、まち全体に魅力を創出し、市民の皆様が心豊かで、生活の安全・安心を確保することが必要であります。

そのような生活基盤の充実によるまちづくりの1点目は「高齢者の交通対策」と「買物弱者対策」であります。

地域公共交通については、「長門市地域公共交通網形成計画」に基づき、各地区と主要な拠点施設とを結ぶ路線の再構築を進めておりますが、高齢者の日々の日常生活支援の新たな施策として、予約すれば市内各地を回って目的地へ移動することが可能なデマンド交通の導入などを検討し、早急に市内全域の地域公共交通の再構築を図ってまいります。

また、買物弱者対策としましては、小型移動スーパーの導入を検討するなど、市民の方々がお困りになっている待ったなしの課題に対しては、全力で対応いたします。

2点目は、いのちに直結する地域医療体制の強化と「健幸」のまちづくりでございます。ご案内のとおり、本市には循環器科や脳神経科の専門医が不足しております。この対策につきましては、いのちに直結する救急救命体制の強化にもつながることから、医師会や関係団体とも協議しながら、具体的に進めてまいります。また、ドクターヘリのヘリポートにつきましても、整備に向けて検討してまいりたいと考えております。

また、「人生100年時代」という、これまでに経験したことのない長寿の時代を迎えるに当たり、健康づくりの取組を中心に、ワークライフバランスの推進、高齢者・障害者福祉の充実など、誰もが地域で生涯「健幸」で元気に暮らしていけるまちづくりを進める必要があります。

そこで、山口県立大学等と連携しながら、引き続き「健幸」のまちづくりを推進してまいります。

3点目は災害に強い基盤構築と防災体制の強化であります。

近年、記録的な集中豪雨、経験したことのない暴風や大雨を伴う台風、これら自然環境の異変に対し、防災力を強化することは、「市民のいのちと生活を守る」観点からも、行政の重要な使命である、と私は考えます。

まずは、地域住民相互のつながりとともに、行政など防災関係機関と地域住民とのつながりを強めるなど、自助、共助、公助のそれぞれの段階でしっかりとした体制を構築し、防災力強化につなげる必要があることから、自治会組織での防災体制の強化や、自主防災組織の設立・育成を積極的に推進してまいります。

また、災害時における警報や避難指示など、初動体制における情報伝達が重要であると考えており、告知端末機の加入促進や新たな情報伝達手段の導入の検討を急ぐこととしております。

加えて、避難所への備蓄品の確保や供給体制の見直しも検討してまいります。

4点目は、「命とくらしを守る道」として大変重要な「山陰道」の整備であります。

本年9月、念願の山陰道「長門・俵山道路」が開通し、「俵山・豊田道路」も事業着手されたところですが、残る未整備区間についても、緊急輸送路や代替路として欠かすことはできません。引き続き、開通に向けた取組を強力に進めてまいります。

5点目は、子育て世代に選ばれるまちの充実であります。

地方創生の原点は、まさに、若い世代が地域に魅力を感じ、市内で仕事を得ながら家庭を持ち、安心して子どもを産み育てることができる、持続可能な地域社会を築いていくことでございます。

そのためには、子育て世代が暮らしやすい住環境の整備、あらゆる分野における女性の活躍推進など、20代から30代を中心とした若い世代の転出抑制・定住対策を積極的に図っていかなければなりません。

そして、次世代を担う全ての子どもたちが、等しく健やかに成長できるよう、子どもの成長に合わせた、切れ目のない支援策の充実を図ってまいります。具体的な施策として、高等学校卒業時までの医療費支援の拡大について検討することとし、長門市独自の負担軽減策など、市全体で子どもたちの育成を応援してまいりたいと考えております。

また、長門市らしさを活かした教育の推進を図りながら、先進的な人材育成に積極的に取り組んでまいります。特に、社会のグローバル化や、急速に進む技術革新などにも柔軟に対応できるよう、英語教育の充実やICTを活用したプログラミング教育の推進に取り組み、地方に居ながらにして、先進的な教育を可能にする環境を整えます。

市内各高等学校につきましては、本市の貴重な学びの拠点であり、財産であります。学校と連携して、魅力向上や活性化を図ることはもちろんですが、学科の新設や定員数におきましても、県や県教育委員会へ要望してまいります。

 

3.地域経済の活性化によるまちづくり

重点施策の3つ目は、「地域経済の活性化によるまちづくり」であります。

私は、産業振興策や子育て支援策などを強化することで、人口の社会減や自然減を抑制し、活力あるまちづくりを進めてまいる考えですが、こうした対策が結実しても、本市の人口減少傾向が当面続くことは避けられません。

それでもなお、まちの活力を回復に導き、その活力を持続できる地域づくりに取り組む必要があり、これまで進めてきた地域経済活性化に資する施策は継続し、その効果を再検証しながら、新たな地域経済活性化の指針となる、「ながと活き活き事業構想(仮称)」を策定したいと考えております。

これは、「令和」の時代を勝ち抜ける、足腰の強い長門市を目指し、市民の皆様や関係団体の意見をしっかり取り入れ、本市の豊富な地域資源や観光資源を活かした構想といたします。

選挙中では、農林水産業や市内経済の立て直し、道の駅センザキッチンのあり方、働く場所や所得の増加など、たくさんの声を市民の皆様からお聞きしました。本構想や本年度改定する「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づき、市民目線に立った取組を進めてまいります。

そのような地域経済の活性化によるまちづくりの第一点目は、企業誘致対策の強化であります。

企業へのアプローチはじっと待っていても仕方ありません。私が自ら積極的に先頭に立って、トップセールスを行うことはもちろんですが、組織内に専門部署を設置し、農林水産業を含めた民間資金の導入等を推進してまいります。

2点目に、光ファイバー網の全市整備を引き続き進めることで、次世代型の超高速通信にも対応できる基盤を確立し、都市部との情報格差解消、通信環境整備に伴うサテライトオフィスなどの企業誘致やICT活用を促進します。

3点目に、観光産業の活性化策として、アウトドアツーリズムや伝統文化体験など、良質な観光素材の組み合わせによる観光地ブランドの確立を図り、選択していただける観光地を目指して情報発信するとともに、歴史、文化など地域資源の発信強化も図ってまいります。これらにより、新たな観光客数の目標を300万人といたします。

4点目に、第一次産業の活性化策として、農業ではAIやIoTなど先端情報技術を活用して、生産ロットの確保や生産性の向上を図り、水産業では、種苗放流をはじめとする育てる漁業の取組を支援するとともに、林業の成長産業化にも引き続き取り組んでまいります。

そして、産業連携では、地場産品等の6次産業化や販路拡大の取組として、ながと物産合同会社を中心に、大都市圏等への販売ルートの構築を図り、売れる商品づくりや魅力の売り込みを進めてまいります。

5点目に、ふるさと納税等を活用した創業支援の強化策として、クラウドファンディングを活用した起業者参入を誘発する仕組みを検討し、若い世代による新たなチャレンジを支援してまいります。加えて、ふるさと納税につきましては、貴重な自主財源でございますので、地域商社やまぐちなどと連携し、寄附額の増加に結び付けてまいります。

6点目に、長門湯本温泉観光まちづくり計画につきましては、今年度末で基盤となるハード整備を終えますが、これを活かしたソフト面の充実を図る必要があります。公民が連携した観光地経営を進め、新規事業者の参入を促進するなど、引き続き全力で取り組んでまいります。

最後に、道の駅センザキッチンにつきましては、オープンから間もないため、これまでのところ、観光客数や交流人口の増加に寄与しておりますが、今後は、リピーターやより多くの市民、観光客から愛される施設となるよう、運営体制を強化し、外貨の獲得に向けた稼ぐ力の増進に努めてまいります。

 

むすび

結びに、私の好きな言葉は「努力」でございます。努力した「ひと」や「まち」に結果は付いてまいります。これから私は、市政運営の先頭に立って、「市民のいのちと生活を守る」ための実現に向け、懸命に努力してまいる覚悟であります。

以上、所信の一端を申し述べましたが、どの施策も、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力無くして実現できるものではありません。

皆様には、今後とも引き続き、ご指導、ご鞭撻、そしてご協力を賜りますよう、重ねてお願い申し上げ、私の所信表明とさせていただきます。

 

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