本文
第30号のコラムはロシア連邦クラスノダール地方ソチ市との姉妹都市協定締結についてです。
平成30年9月27日(木曜日)~10月2日(火曜日)の日程で、私を団長とする長門市代表団9名(取材1社含む)がロシア連邦クラスノダール地方ソチ市を訪問、市政初となる姉妹都市協定(長門市とソチ市の間の友好関係の確立に関する合意書に署名)の締結を行いました。
先ず最初に、我々がソチ国際空港に到着した際の様子です。
※上の画像をクリックするとyoutubeに移行します
到着ロビーでは深夜の到着にも関わらず、多くの方に出迎えて頂きました。
また、動画の中にもありましたが、このようにゲストに対して、最初にパンにチーズを付けて食べて頂くといった、いわゆる伝統的なロシアのお出迎え方法で歓迎を受けました。
翌日からの公式な行程のなかで、先ず最初にソチ市役所にアナトリー・パホモフ市長を表敬訪問しましたが、移動用のマイクロバスを下りると、昨夜同様、多くの地元小学生や市民の方から熱烈な歓迎を受けました。
これは今回の訪問中、すべての視察先についても同様で、ソチ市長をはじめ、ソチ市民の皆様のおもてなしの心を、私はこの先も忘れることはないでしょう。
また、昨年12月以来となる両市長会談では教育分野での意見交換等、今後の交流について担当者も交えて積極的に協議しました。
その後、アナトリー・パホモフ市長自らが案内役となり、散策しながらソチ市の街並みを御紹介頂きました。
観光都市であるソチ市では、2014年の冬季オリンピック開催以降の急成長により、人口の増加が続いておりますが、それに伴うゴミ処理等の環境問題が深刻とのことでした。ただ市長自ら、これらの問題に積極的に取り組んでおられるようで、現在では街にはゴミ一つ落ちておらず、大変綺麗で洗練された街並みという印象を受けました。
こちらは、今回の両市の姉妹都市協定締結を記念し、『日本とロシアの友情の庭園』にて紅葉を記念植樹した様子です。この紅葉の成長と同様に、今後の両市の関係発展を祈念致しました。
その後、場所を冬の劇場に移して、『長門市とソチ市の間の友好関係の確立に関する合意書』調印式が開催され、これにより長門市とソチ市は正式に姉妹都市となりました。
こちらは、リーダーズフォーラムに参加した際の様子です。
リーダーズフォーラムとは、ロシア連邦外務副大臣や政府高官、またロシア国内の民間企業の長、さらには同じ黒海沿岸のトルコのイスタンブール市長をはじめとする各港町の市長や議長等で構成されたビジネスフォーラムで、今回は黒海沿岸の都市間の観光クルーズ構想等の協議が行われました。我々はこのフォーラム内で特別に時間を頂き、長門市の観光PRを行いました。
こちらはマツェスタ温泉の視察の様子です。
マツェスタ温泉は硫黄水泉で有名なサナトリウムで、ロシア国内から多くの人が訪れます。ただし日本の温泉とは違って医者の処方がないと入ることが出来ません。また硫化水素を主な成分としており、循環器系、神経系、筋骨格系、鼻因頭系、肌、神経内分泌、不調、婦人科疾患等の慢性疾患の治療に使われているとのことです。写真のとおり、実際私も手を浸けてみましたが、わずか数分間の間でその効果を感じることが出来ました。
また同じく湯治を中心とした長門市の俵山温泉のプロモーションビデオを上映し、今後の温泉医療分野での交流についての協議も行いました。
こちらは2014年冬季オリンピックのスキー会場となった『ローザ・クトール』視察の様子です。標高2320mの山のリゾート地は、オリンピックのレガシーとして、今での多くの大会が開催されているとのことです。
また海(黒海)と山に囲まれたソチ市を代表する山の観光地でもあります。
こちらは、現地で開催した焼き鳥及び唐揚げのワークショップの様子です。
昨年、アナトリー・パホモフ市長を始めとする14名の代表団が長門市を訪問された際に振る舞った長門産の焼き鳥と唐揚げが大好評だったことを受けて、今回開催の運びとなりました。
ただし御承知の通り、日露間での鶏肉の輸出入は禁止されております。そこで今回は現地のスーパーでロシア産の鶏肉や玉ねぎを調達し、地元の料理専門学校生を招待し、そのレシピを提供、また実際に串し打ち体験等も行いました。焼き鳥にガーリックパウダーを掛けて食べる長門独自の文化を紹介するなど、結果的に写真のとおり大盛況で、素晴らしい食文化交流となりました。
こちらは、ソチ・オリンピックパークです。
私の背後に写るのは2014年の冬季オリンピックのフィギアスケート会場です。そのほか今夏には隣接するスタジアムでサッカーワールドカップの予選、準々決勝も開催されました。また広大な敷地を有効活用して、F1ロシアグランプリも毎年開催されている等、オリンピック以降もそのレガシーとして各種世界大会の開催に尽力されています。
以上、駆け足で今回のロシア・ソチ市訪問を振り返りましたが、本年2018年は、日露両国政府間により『日本におけるロシア年』、また『ロシアにおける日本年』と位置付けられております。
この記念すべき年に姉妹都市協定締結に至った長門市、ソチ市の自治体間交流を通じて、今後の日露関係の更なる発展を祈念致します。