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平成30年2月14日に実施した長門湯本温泉観光まちづくり恩湯等施設整備運営事業プロポーザル審査委員会の審査講評について公表します。
審査委員会は、優秀提案者選定基準に基づき審査を行い、基準を満たす優れた提案者であると評価し、長門湯守グループを最優秀提案者として選定した。
長門湯本温泉の歴史や文化などの地域特性を踏まえながら、魅力的な温泉街の形成に不可欠な6つの要素である「風呂(外湯)」「食べ歩き」「文化体験」「そぞろ歩き(回遊性)」「絵になる場所」「休む・佇む空間」を実現するための具体的な提案がなされていた。
泉源を浴槽から「見せる」演出は、岩の割れ目から湧き出ている全国的にも稀な自然湧出の泉源を十分に理解し、活用している点で高く評価できる。
最優秀提案者は、地元で宿泊施設の運営に携わっている若い2名が中心となったグループである。このような地元の若い人材が、自らリスクを負い、また十分な時間を割いて、熱意と意欲を持って中長期的に本事業の経営に携わることは、将来的に事業を安定的に継続していくうえで、必要不可欠かつ貴重なことである。
事業の収支計画について、人気温泉地ランキングトップ10を目指すために、長期的かつ持続的な投資が必要である。維持管理費として年度毎に使用する修繕費と長期的な修繕積立金とを合わせているということだが、時間軸としては異なる費用であるため、中長期的な発展と運営に支障がないよう考慮していただきたい。
個々の事業提案・施設整備案は優れていると評価できるが、音信川と建物・広場との一体性や恩湯広場の相互連携など、全体的な統一感のある事業コンセプトや景観、さらには周辺も含めた利活用に対する考え方について、一層の検討の余地があるため、今後デザイン会議の中で検討を深めていただきたい。
恩湯事業の運営者が共同代表であることに関して、最終的な意思決定の方法を予め定めておくなど、円滑な事業遂行の方策を検討していただきたい。
本事業は、人気温泉地ランキングトップ10に向けて、魅力ある温泉街の拠点として、審査委員会、デザイン会議、その他関係者の協力を得ながら、発展的かつ安定的に運営されるよう期待するところである
平成30年2月
審査委員会 委員長 内田 恭彦