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3月2日(水曜日)から香月泰男美術館で企画展「香月泰男の植物図鑑2」が始まっています。
香月泰男が生涯を過ごしたふるさと三隅。自然豊かなこの地に根付いた木々や花々をモチーフに香月はデッサンや油彩を数多く描きました。また、自宅の庭ではミモザやサン・ジュアンの豆の木、カンヌのオリーブ、ザクロなどさまざまな植物を育てていました。
今回の企画展ではこれらを「風景の中の植物」「画題に見る花」「モチーフ天国に咲く花」の3つのテーマで紹介しています。
香月は、「花はくる年くる年、新鮮に咲き続けている。私はそれを追いかけながら描いてみるが、花のように毎年新鮮には描けない」と花を描く難しさについて語っています。
香月泰男美術館の丸尾学芸員は「初期の作品である風景画からは香月が模索している様子が伝わってきます。また、「画題に見る花」でとりあげた作品は、なぜこのタイトルにしたのだろうかという不思議さがあります。「モチーフ天国に咲く花」では香月がモチーフ天国と表した三隅の地に咲く四季折々の花を制作年に関係なく、季節順に配置しています。花の美しさや香月の生命に向き合う姿勢を鑑賞していただければと思います」と展覧会の見どころを話しました。
色とりどりの花々から季節を感じるとともに、時代ごとに特徴のある植物の描き方にも注目です。
「香月泰男の植物図鑑2」は、6月5日(日曜日)まで開催(火曜日は休館日)しています。