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7月5日(土曜日)、全国でも珍しい江戸時代中期から行われている虫送り神事「サバー送り」が東深川の飯山八幡宮で行われました。
サバー送りは、「サバーサマ」、「サネモリサマ」と呼ばれる2体のわら人形を飯山八幡宮から下関市まで住民がリレー方式で送り継ぎます。「サバーサマ」は、稲の害虫ウンカが神格化したもので、「サネモリサマ」は源平合戦で討ち死にした斎藤実盛を指すといわれています。害虫を神格化し具現化したものを地域間でリレーし送り出すことが全国的にも珍しい形態であり、山口県無形民俗文化財にも指定されています。
長さ約2m、高さ約1mのわら人形2体は、事前に藤中区の住民によってつくられ、送り継ぎは藤中区・中山区・江良区・上郷区が毎年順に担当しています。虫除けの神事を終えた後、今年は江良区の住民により、西深川境川区を経由した後、日置上長崎まで運ばれました。途中、「オゴク」と呼ばれる米を固めた「サバーサマの弁当」が境川地区の民家に配布されました。
中山地区世話人代表の小林邦昭さんは「高齢化で担い手が減ってきていますが、この伝統行事をこれからも絶やすことなく次世代へ継承していきたい」と話していました。