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4月18日(日曜日)、金子みすゞ記念館で学芸員講座「みすゞとお花見」が開催され、市民など約20人が参加しました。
金子みすゞの詩には、物語をもとにしたものや仙崎の場所をうたったものなど、同じ桜を題材にした詩でもそれぞれ雰囲気がちがい、さまざまな楽しみ方があります。
講座では、金子みすゞ記念館の盛澤香乃学芸員が、「桜」に注目して金子みすゞの詩を通して見えるその風景について、「御殿の桜」、「雀のおやど」、「極楽寺」、「王子山」、「魚売りの小母さんに」、「山ざくら」、「さくらの木」の桜を題材とした7編の詩を選び、解説を加えて紹介しました。
そのなかで、「山ざくら」については、詩に登場する山ひめとは日本神話に登場する女神のことで、金子みすゞの詩にはギリシャ神話など神話を題材にしたものが多いことや桜が散ったことと子供たちが遊びをやめて家に帰ることを重ね合わせており、楽しい時間の終わりを花で間接的に表現していること、子どもが山ひめ様になりきったごっこ遊びの詩であることなどの解説がありました。
また、金子みすゞの詩には幻想的な空想の世界が描かれていながら、伝えたいことははっきりと伝えるという詩人としての手腕が発揮されている、散りばめられた言葉あそびに注目すると面白いですよとの説明もありました。
市内から来られた宮本さんは、「みすゞさんの詩については詳しくなかったが、学芸員の説明がわかりやすく、初めて知ったことが多く楽しかった。「雀のおやど」では自分が気が付かなかった角度から解説してもらい、改めてみすゞさんのやさしさを感じることができました。」と感想を話していました。
金子みすゞの詩のなかで登場する花としては桜は13編あり、げんげ(れんげ)と並んで最も多いということです。