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通鯨唄引継ぎ式

ページID:0034410 更新日:2021年2月26日更新 印刷ページ表示
6年生としては最後の発表の場

6年生としては最後の発表の場
「鯨がきたぞー」と叫ぶ
6年生から下級生に法被とばちが贈られた
6年生を前にして、下級生だけでの唄を披露
通鯨保存会の皆さんに感謝の気持ちを伝える

 2月26日(金曜日)、通地区で唄い継がれる長門市無形民俗文化財「通鯨唄」の引き継ぎ式が、通小学校で行われ、全校児童、通鯨唄保存会、地区住民、教職員が参加しました。

 「通鯨唄」は、約400年前に長州毛利藩直営の通鯨組の人々が、全ての集いで唄いならしてきた労働歌であり、祝い唄です。この「通鯨唄」を唄い継いでいこうと同校では、昭和63年から伝承活動に取り組んでおり、平成2年からは6年生が下級生に引き継ぎ式を行っています。 

 引き継ぎ式では、はじめに全校生徒16人による鯨唄「祝え目出度」と「朝のめざめ」を披露。子どもたちは、鯨への哀悼と感謝の気持ちを表す揉み手を行いながら、張りのある歌声で歌い上げました。その後、卒業する6年生の松村祐正さんから「練習をたくさんがんばって、これからも伝統ある鯨唄を伝えていってほしい」と下級生に法被と太鼓のばちを託しました。5年生は「練習を頑張って、私たちも後輩に伝えられるようにしたい」と応え、1年生から5年生のみでの「祝え目出度」を唄い、伝統を引き継ぎました。 

 卒業する6年生を代表して河野太亮さんが、指導した通鯨唄保存会のメンバーに対し、「最初は慣れなかったが、学年が上がるに連れてだんだん大きい声が出せるようになりました。鯨唄は通の宝物です。今後も後輩たちの指導をよろしくお願いします」とお礼の言葉を述べました。

 通鯨唄保存会の中谷健二会長は、「6年間よく頑張りました。通の鯨唄は手をたたかずにもみ手で唄います。これは鯨に対する感謝と思いやりから自然とそうなったものです。これから中学生、高校生になっても、両親、友達、先生への感謝と思いやりの気持ちを忘れずに成長してください」と激励しました。 

 通小学校の長尾誠治校長は、「すばらしい演奏でたいへん心が震えています。6年生の皆さん、ありがとうございました。今年度は練習や発表の場が少なかったけれど、6年生の3人がしっかりとみんなをリードしてくれました。1~5年生は新しいメンバーでしっかり引継ぎ、魂のこもった新しい鯨唄を聴かせてもらいました。思いやりややさしさ、真心を次から次へと通の宝として引きついでいってほしいと思います」と講評を述べました。

 6年生の藤井祐星さんは「今日は最高の出来でした。これで終わってしまうのは悲しいけれど、最後に良い唄を披露できてよかった。引継ぎ式なので緊張もしていたけれど、楽しむことができました。後輩の太鼓のふたりにはリズムを合わせ、唄の支えとなるようしっかり練習してくださいと伝えたいです」と語りました。