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7月2日(土曜日)、江戸時代から行われている虫送り神事「サバー送り」が東深川の飯山八幡宮で行われました。
サバー送りは、「サバーサマ」、「サネモリサマ」と呼ばれる2体のわら人形を飯山八幡宮から下関市まで送り継ぎます。「サバーサマ」は、稲の害虫ウンカが神格化したもので、「サネモリサマ」は源平合戦で討ち死にした斎藤実盛を指すといわれています。
住民がリレー方式で地域外に送り出していくことで、稲の害虫を追い払うもので、県の無形民俗文化財に登録されています。
飯山八幡宮で神事が行われた後、今年の引き受け地区の役員により抱えられ、西深川境川方面に向けて出発しました。境川に到着するとサバーサマ、サネモリサマのお弁当である「オゴク」を自治会の人に手渡しました。その後、日置の長崎(ながさこ)地区にある線路下のトンネル内にサバーサマとサネモリサマを運びました。
神事を執り行った飯山八幡宮の上田宮司は「サバー送りを行うことで、稲に虫がつかないようお祈りするばかりです。2年前のようなウンカの被害もそうですが、今年は降雨が少なく水も心配だと聞いています。長門のお米が実るよう祈っています」と話しました。
わら人形は長崎地区から黄波戸、古市、油谷久富、人丸、河原、伊上を経て下関市豊北町粟野まで運ばれます。最後はぼろぼろになった時点で燃やされたり、「サバーサマ、カラヘイケ」と唱えて海に流されたりすると言われています。