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3月6日(日曜日)、ヤマネスタジアム俵山のクラブハウスにおいて、「俵山地区防災計画」策定に向けたワークショップが開催され、自治会長や民生委員、地区社協、消防団などの地元関係者が出席しました。
「地区防災計画」は、行政が策定する「地域防災計画」と異なり、コミュニティから提案されるため、地域の特性を反映させることができ、防災で大切とされる自助・共助・公助のうち、共助の部分を膨らませていくための制度として位置づけられています。
俵山地区でのワークショップは、地域関係者に防災に関する知見を深めてもらうとともに、地区防災の課題と対応について共通認識を持ってもらうことを目的に開催されたもので、今年度の内閣府所管の「地区防災計画策定モデル創出事業」に採択されています。
はじめに事務局である防災危機管理課職員から、昨年8月の大雨の際に警戒レベル3の「高齢者避難等」が発令されたものの、俵山地区では実際に避難した人がいなかったことについて説明があり、避難しなかった理由はさまざまあると思われるが、避難が必要な人が確実に避難するためにはどうしたらよいのかを考えていきましょうと呼びかけました。
市が俵山地区で行ったアンケートでは、逃げることが面倒であることを避難しなかった理由にあげている人が多いものの、そのうちの半数が自治会の役員や近所の人からの声かけがあれば逃げていたと回答しています。
参加者は自治会ごとに分かれて、地区の現状について話し合いました。俵山地区の多くの集会所は、大雨時に浸水の危険性があるため、避難に適さないことやヤマネスタジアム俵山に避難しようとする場合には、川を越えて離れた場所にあるところにあるため、移動がたいへんであることなどが発表されました。
次に、オンラインで参加した関西情報センターの職員からは、高齢者の避難を最優先に計画を策定した三重県津市の丹生俣地区防災計画では、集会所だけでなく、高台にある空き家を地域の避難所としていることなどの紹介がありました。
続いて、事務局が作成した地区防災計画の原案について自治会ごとに検討を行い、民生委員や自治会長からは支援する側として実際の災害時に必要な行動がとれるだろうかという不安の声が出され、防災訓練を実施したいという意見が多く出されました。
アドバイザーとしてオンラインで参加した兵庫県立大学大学院の澤田雅浩准教授は、「地区防災計画を俵山にとって役に立つものにするために、避難所に逃げようと思うためにはどのようにすればよいか、消防団員は水防活動と避難支援のどちらを優先するのかなどひとつひとつ確認して、アイデアを積み上げていくことが大切です。支援が必要な人とよく話をしていくことで実効性の高い計画にしてきましょう」とアドバイスを送りました。
俵山地区では令和4年度での地区防災計画の策定を目指しており、策定されれば山口県初となります。