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大津緑洋高校では名古屋大学と協働し、サーモンを陸上で飼育できる陸上養殖プロジェクトの実現に向けた取組を行っています。その研究開発を進めるため、名古屋大学がクラウドファンディングによる寄付の募集を開始しました。
かつてから漁業が盛んな長門市においても、漁獲量の減少や漁師の高齢化問題を抱えており、大津緑洋高校の生徒たちは地元の活性化のため、「最新技術を使ってこれまでなかった陸上養殖をしたい!」と、2017年から名古屋大学工学研究科パワーエレクトロニクス研究室と協力し、どこでも飼育ができる陸上養殖の研究開発を進めています。
生徒たちは世界的に需要が高く、商材としての可能性を持つサーモンに着目しました。しかし、サーモンは冷水域に生息するため、温暖化が進む現在では飼育が困難になってきており、人工的な飼育空間をつくって陸上での養殖が有効と考え、名古屋大学の研究室が蓄積してきたエレクトロニクスの研究成果を飼育水の冷却に応用するための取組を進めました。
生徒たちは自力で水槽を試作して飼育を始め、冷却方法を工夫することによりサーモンが夏を乗り切ることに成功しました。さらには、魚と植物を同じシステムで育てる「アクアポニックス」を開発し、サーモンの飼育水から出たアンモニアを肥料に再利用することで野菜の収穫にも成功し、自然由来のエネルギーの活用を実現しています。今後は研究規模の拡大を目指しています。
この取組は、長門市では採れないサーモンを陸上で養殖することが可能になるとともに、レア野菜の収穫も併せて行うことができ、さらには大学とのコラボによる研究により、長門市の子どもたちが主体性を持った起業家精神を育むことにもつながり、都市部に劣らない教育サービスの提供に貢献することができると考えられています。
大津緑洋高校の岩本隆行教諭は「一次産業化の活性化や地方創生、教育サービスの向上にもつながるこのプロジェクトは、長門の子どもたちが地元で夢をかなえられるチャンスをもたらすと考えています。若者の力で長門市を盛り上げていきたいと思いますので、多くの人にこのプロジェクトを知っていただくとともに、ご支援をよろしくお願いします」と呼び掛けました。
寄付の目標金額は200万円で、2月10日(水曜日)午後11時まで受け付けを行っています。
※プロジェクトの詳細と寄付については、クラウドファンディングサイト「READYFOR」から
https://readyfor.jp/projects/meidaisalmon<外部リンク>