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11月7日(日)、俵山小学校体育館で俵山小学校児童による子ども歌舞伎が披露され、俵山地区の住民など約100人が詰めかけました。
俵山子ども歌舞伎は、例年は文化産業祭に合わせて開催されていますが、新型コロナウイルス感染症の影響で祭が中止となったことから、今年は地域参観日として実施されました。
披露された演目は、河竹黙阿弥作の「青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)【通称:白浪五人男】」で、低学年は「浜松屋見世先の場」を高学年は「稲瀬川勢揃いの場」を演じました。俵山地区には古くから女性ばかりで組織された「俵山女歌舞伎」と呼ばれる伝統芸能が残り、熊野神社祭礼に奉納されたり、公演が行われてきたりしていました。俵山小学校の児童も2005年から子ども歌舞伎を披露するようになり、今年で17年目を迎えました。
9月から練習を重ねてきた児童は、大きな声で堂々と役回りを演じ、地域の人たちから大きな拍手が送られていました。
低学年の部に出演した児童は「とても緊張したが、いっぱい練習したので長いセリフもちゃんと言えました。動きがうまくできたり、セリフも覚えられたのでうれしい」と話しました。
今回が最後となる6年生の児童は「最後の舞台となったが満足のいく演技ができました。たくさんの人が見に来てくれてうれしい。これからも今まで以上に良い舞台となるよう練習し、俵山の文化を引き継いでいってほしい」と後輩にエールを送りました。
俵山女歌舞伎保存会の宮野修治会長は「コロナ禍のなかでも発表できてよかったです。子どもたちは元気いっぱいで、セリフ回しも良くできました。先輩の姿を見て自分たちもやってみたいという気持ちが児童にあり、頼もしく思います。だんだん子どもの人数も減ってきていますが、継続してほしいと思います」と子どもたちの演技に称賛を送りました。
保存会の皆さんは、小学校で歌舞伎の歴史を教える授業を行い、歴史ある文化を知ってもらう取り組みを行っています。また、9月には俵山地区に歌舞伎クラブが発足し、地域の男性も交えた大人たちが「五人三番叟」の練習に励んでいるということです。