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3月1日(水曜日)から金子みすゞ記念館企画展示室で「ふうちゃんと『南京玉』の世界」展が始まりました。
童謡詩人金子みすゞは、娘のふさえさんのおしゃべりを『南京玉』という一冊の手帳に書き残しています。昭和4年10月下旬から昭和5年2月9日まで347の言葉が記録されており、その中には大正時代を代表する絵雑誌「コドモノクニ」などの挿絵を見ながら発していると思われる言葉もあります。この企画展では『南京玉』に出てくる「コドモノクニ」の挿絵と娘ふさえさんの言葉を展示しています。
この日は3月2日(木曜日)、3日(金曜日)に、ルネッサながとで上演される演劇「君はどこにいるの」の演出を担当し、またドラマ「明るいほうへ 明るいほうへ」や「金子みすゞ物語~みんなちがってみんないい~」のプロデューサーも務めた石井ふく子さんも来館し、企画展を鑑賞しました。鑑賞を終えた石井さんは「みすゞさんの詩に出会い、みすゞさんの人柄を皆さんにもっと見せたいと思ってドラマをつくり、大きな反響がありました。みすゞさんもみすゞさんの詩も私の心に残っています。子どもに対する母の気持ちが伝わりづらい時代に、ここ仙崎に母であり詩人であるみすゞさんの文学があることが本当にうれしいです」とコメントしました。
この企画展は3月15日(水曜日)まで展示され、その後、山口県立大学卒業制作展が展示された後、3月31日(金曜日)から再展示、5月31日(水曜日)まで金子みすゞ記念館で展示されます。金子みすゞ記念館の草場主任企画員は「ふさえさんのおしゃべりとコドモノクニの挿絵を通して、その裏に垣間見える母と娘の愛情を感じ取っていただければ」と来場を呼びかけています。