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木育とは、子どもをはじめとするすべての人が「木とふれあい、木に学び、木と生きる」取り組みです。それは、子どものころから木を身近につかっていくことを通じて、人と、木や森との関わり主体的に考えられる豊かな心は育むことです。
木育は「か・き・く・け・こ」の5つの言葉でまとめています。
木育は単に木が好きになって、木を暮らしの中に取り入れればいいというものではありません。その木材が、森林や環境をきちんと大切にしながら伐られているかといったところまでを思いを馳せ、木を使うことと環境を守ることがつながっていることをしっかりと理解する必要があります。
日本は世界最古の木造建築物である法隆寺に代表されるように、世界屈指の木の加工技術を伝えてきた国でもあります。子どもの頃から木に触れ、木で何かをつくることを通して、木と向き合うための手の技術、木の文化を伝えていくことができます。日本各地でものづくりを通じて木の文化を伝承していく取組が始まっています。
一方で、暮らしの中からどんどん木の製品がなくなっていることも事実です。かつて日本の暮らしの中には、木のモノがあふれていました。もっともっと木のもつ心地よさを五感で感じて、暮らしに木を取り入れていくことによって、世界に冠たる森林大国日本の中で木の自給自足をしていくことが求められています。
高度経済成長期を経て、日本の林業や木材加工業は衰退の一途をたどりました。それは我々の暮らしから木製品がなくなっていたことと軌を一にしています。森林大国日本、もっと自分たちの住んでいる国の木を使うことで、森林・林業・林産業を元気にさせ、山村・里山を中心とした地域の経済を活性化させることはできないでしょうか。木に関していえば、日本は世界に名だたる「資源大国」なのです。
その意味でも、身近なところから暮らしに木を取り入れていきたいものです。そのひとつとして子育てに木を生かす取り組みが始まっています。木のおもちゃは子どもの五感に働きかけ、感性豊かな心の発達を促すことと、親にとっても癒し効果があります。子どもが育つ環境に木を取り入れていくことで、木の良さ(魅力)を知ってもらう大きなきっかけにもなります。木のもつ可能性を生かして子どもの心を豊かにしていきましょう。
出典:「ウッドスタートガイドブック」/認定NPO法人日本グッド・トイ委員会・東京おもちゃ美術館・木育ラボ
市の豊富な森林資源を有効に活用しながら、森林を守っていき、次世代に受け継ぐため、平成28年11月22日に「ウッドスタート宣言」を行い「木育」に取り組むことにしました。市の森林で育った木材で作ったおもちゃで遊ぶことが、木のある暮らし、木のある子育ての第一歩です。子どもも大人も木の温もりにふれることから始めましょう。