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木造薬師如来坐像
市指定 有形文化財 彫刻
平成27年2月24日指定
青海(おおみ)島(じま)清福寺(せいふくじ)の所蔵。壇ノ浦の戦いで敗れた平家の残党は、青海に逃れ、その多くは自害した。残されたものが、平家とともに西下りした薬師(やくし)如来(にょらい)坐像(ざぞう)を本尊として平家の慰霊として寺を建てた。この仏像は、平安時代末期に都において製作されたものと思われ、カヤ材の一木造りで内(うち)繰(く)りは無い。最初、光背(こうはい)、台座(だいざ)がついていたと思われるが、現在は残っていない。寺は元禄3年(1690)に真言宗から浄土真宗に改宗し本尊が代わった。そこで、旧本尊は宝永8年(1711)に新しく建てられた薬師堂へ安置された。北浦に数少ない平安時代の仏像である。 (出典『ながと歴史散歩』他)