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金銅薬師如来立像
県指定 有形文化財 彫刻
昭和60年10月29日指定
俵山温泉の薬師堂の本尊である。青銅に鍍金をした金銅仏であるが、現在は鍍金が剥落して黒色を呈している。像高は43.1cm。背面に刻銘があり、延慶4年(1311)に萩市紫福の寺の仏像として作られたことがわかる。
『防長風土注進案』によれば、天保の頃までは、長門市仙崎の極楽寺に安置されていたことがわかる。嘉永4年(1851)俵山温泉の大火で俵山湯町にあった湯薬師堂が本尊共に全焼し、同6年に薬師堂を再建した際、極楽寺から本尊として安置された。鎌倉時代末期の銘文のある金銅仏は県下では他になく、価値が高い。(出典『長門市史』『長門市の文化財』)