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矢崎節夫館長コラム「さよなら」2024年12月1日

ページID:0056919 更新日:2024年12月1日更新 印刷用ページを表示する

さよなら

降りる子は海に、
乗る子は山に。

船はさんばしに、
さんばしは船に。

鐘の音は鐘に、
けむりは町に。

町は昼間に、
夕日は空に。

私もしましょ、
さよならしましょ。

きょうの私に
さよならしましょ。

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 先月中国から一人で来られた青年が、呉菲さんの中国語版の全集を読んで、仙崎に来たいと思って、ようやく来れましたとにこにこされていました。
 今年も、一年に、カレンダーに、「さよなら」をする季節になりましたが、うれしい出合いがたくさんありました。
 みすゞさんの詩に作曲され自ら歌ってくださるちひろさんは、全国にみすゞさんを手渡してくださっていますし、東京では落語みすゞ亭がひらかれ、講談でもお二人の方がみすゞ伝を語ってくださっています。
 又、先日は日本相撲甚句会の羽黒郷龍太朗さんが『星とたんぽぽ』を甚句にして歌ってくださいました。
 多くの人に支えられてみすゞさんは倖せな一年だったと思います。
 「さよなら」は「又、会えたね」を連れてきます。今年一年ありがとうございます。
 来年が良い一年でありますよう念じます。

令和6年12月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫

 

 

 


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