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矢崎節夫館長コラム「秋」2024年9月1日

ページID:0055272 更新日:2024年9月1日更新 印刷用ページを表示する

電灯が各自に
ひかってて、
各自にかげを
こさえてて、
町はきれいな
縞になる。

縞の明るい所には、
浴衣の人が
三五人。
縞の小暗い所には、
秋がこっそり
かくれてる。

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 猛暑といえる暑さが続いていますが、9月は暦の上では秋になりました。
 「暑い、暑い」と思いながらも、稲刈りが始まり、収穫されたばかりの新米がとどいたりすると、「ああ、もう秋なんだ」と暑さに参っている気持ちが、そっと支えられます。
 『秋』の中で、みすゞさんは「縞の小暗い所には、/秋がこっそり/かくれてる。」と歌っていますが、本当に「こっそり」とではありますが、季節は夏から秋に移り始めています。今年は暑過ぎたからでしょうか、家のまわりでは、セミの鳴き声があまり聞こえませんでした。異常気候の原因の一人として、申し訳ない気持ちですが、せめて秋の虫たちの元気な声が聞こえてくるといいなあと、ひっそりと耳をすませたいと思います。
 静岡県では初めての金子みすゞ展が、藤枝市郷土博物館・文学館で10月20日まで開催されています。お近くの方是非おでかけください。どうぞよい秋でありますように。

 

 

令和6年9月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫

 

 

 


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