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矢崎節夫館長コラム 「こころ」 2022年1月1日
こころ
お母さまは
大人で大きいけれど、
お母さまの
おこころはちいさい。
だって、お母さまはいいました、
ちいさい私でいっぱいだって。
私は子供で
ちいさいけれど、
ちいさい私の
こころは大きい。
だって、大きいお母さまで、
まだいっぱいにならないで、
いろんな事をおもうから。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
明けましておめでとうございます。
2年も続いたコロナ禍の中で、今年こそ穏やかな1年でありますように。
そんな願いを込めて、今月は『こころ』です。この詩の1番うれしいのは、最愛のお母さまのこころは、”ちいさい私でいっぱいだって。”というところですね。
先日、絵詞作家の内田麟太郎さんと対談をした時に、優しさの源は、この世に生まれる前のお母さんの胎内で10カ月(時によっては少しはやい方もいらっしゃいますが)の間、大切に愛された時から始まる、という話になりました。この倖せな愛情は誰もがみんな体験しているのです。この事は深く意識したいと思います。
さて、新しい1年が始まります。誰もが愛された私という事を忘れずに、大事に1日1日を過ごしていきたいですね。
金子みすゞ記念館職員一同、今年もみなさまのご来館を心よりお待ちしています。
令和4年1月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫