ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 金子みすゞ記念館 > 記念館メニュー > コラム > 矢崎節夫館長コラム 「不思議」 2020年10月1日

本文

矢崎節夫館長コラム 「不思議」 2020年10月1日

ページID:0032706 更新日:2020年10月1日更新 印刷用ページを表示する

不思議

 

 

私は不思議でたまらない、

黒い雲からふる雨が、

銀にひかっていることが。

 

私は不思議でたまらない、

青い桑の葉たべている、

蚕が白くなることが。

 

私は不思議でたまらない、

たれもいじらぬ夕顔が、

ひとりでぱらりと開くのが。

 

私は不思議でたまらない、

誰にきいても笑ってて、

あたりまえだ、ということが。

 

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 

 

 

 7月11日から9月22日までいわき市立草野心平記念文学館で「没後90年童謡詩人金子みすゞ展」が開催され、コロナ禍の中で5,463人もの来館者がおいで下さいました。

 開催して下さった草野心平記念文学館とおいで下さったお客様に心からお礼申し上げます。

 この文学館は個人の文学館ではびっくりするくらい大きくて、常設展もていねいで、心平が戦後東京で開いた小さな居酒屋(火の車)が復元されており、カウンターの上に品書きが並んでいて、「どろんこ」や「悪鬼のこまぎれ」というみすゞさんの『不思議』でも想像できないものの中に「美人」というのがありました。専門学芸員の長谷川由美さんの説明では「これはいたわさの事です。色白でふっくらとして、でも、わさびがツンときて」とにっこりされました。

 「どろんこ」や「悪鬼のこまぎれ」が気になる方は、どうぞ草野心平記念文学館へ。

 みすゞ記念館も元気に開館しています。ぜひおでかけください。

 

                                             令和2年10月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫


記念館職員の日記