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矢崎節夫館長コラム「お日さん、雨さん」2025年12月1日

ページID:0064467 更新日:2025年12月1日更新 印刷用ページを表示する

お日さん、雨さん

ほこりのついた
芝草を
雨さん洗って
くれました。

洗ってぬれた
芝草を
お日さんほして
くれました。

こうして私が
ねころんで
空をみるのに
よいように。

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 先日、『お日さん、雨さん』をふと口ずさみたくなる出会いがありました。
 熊本から羽田に戻る機内で、三列席の通路側にまだ首のすわらない赤ちゃんを抱いたお父さんがいて、窓側に私が座り、真ん中の席に、松たか子さんを少し細面にした上品な女性が座られました。
 機内は普段聴きなれない音と振れで、赤ちゃんはずっとむずがり、お父さんは必死であやしたり、ミルクをあげたりするのですが、赤ちゃんの機嫌はなおりません。いろいろ抱き方を変えるたびに、赤ちゃんの頭をさっと支え、おりる時はお父さんが抱っこひもの用意をしてる間、その方が赤ちゃんを預かって抱っこして、トントンとやさしく背中をたたいてあげると、赤ちゃんは安心したように落ちついていました。
 すてきな出来事は、本当はいつもすぐそばにあるのですね。
 よい年の暮れをお過ごしください。

​令和7年12月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫

 

 

 


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