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矢崎節夫館長コラム「春の朝」2025年3月1日

ページID:0058323 更新日:2025年3月1日更新 印刷用ページを表示する

春の朝

雀がなくな、
いい日和だな、
うっとり、うっとり
ねむいな。

上の瞼はあこうか、
下の瞼はまァだよ、
うっとり、うっとり
ねむいな。

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 三月十日はみすゞさんの命日にあたり、今年は前日の九日に金子みすゞ顕彰会によって、遍照寺で十一時から墓前祭が行われます。
 もう長い間行われてきて、仙崎の春を迎える行事になっているように思います。
 みすゞさんの『春の朝』を読むと、「そう、そう」「わかる、わかる」と前の私ならにこにこするところですが、花粉症の私にとって、外出しづらい季節になりました。
 山がある土地にうかがって、一月からすでに杉の木が花粉をいっぱいにつけて黄色になっているのを見ると、ああ、今年もだと気が重くもなります。せっかくうれしい春なのにと残念にさえ思います。
 そんな山を見ながら、春一番が吹く前にすでに花粉症がふえるのは、山自体がきっと花粉症になって、大きなくしゃみをしているのじゃないかなぁと、山に対してさえつらくて可哀想な気持ちになります。
 三月がいい月になることを願っています。

令和7年3月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫

 

 

 


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