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矢崎節夫館長コラム 「夏」 2024年8月1日

ページID:0054713 更新日:2024年8月1日更新 印刷用ページを表示する

「夏」は夜更かし
朝寝ぼう。

夜は私がねたあとも、
ねないでいるが、朝早く、
私が朝顔起こすときゃ、
まだまだ「夏」は起きて来ぬ。

すずしい、すずしい、
そよ風だ。

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 昨年の夏も酷暑だと思っていたら、今年の夏は一層の酷暑が続いています。8月の季語には盛夏、晩夏、残暑がありますが、この美しい季語が酷暑と猛暑の二つになってくるようで、それも人間のせいだと思うと、地球上の他の動植物に本当に申し訳ない気がします。
 私たちの世代は、みすゞさんの『夏』の詩の世界がよくわかります。
“私が朝顔起こすときゃ、/まだまだ「夏」は起きて来ぬ。”
 私が子どもの頃は、朝はまだ涼しくて、「涼しいうちに夏休みの宿題やりなさいよ」とよく母にいわれたものです。本当に午前中のはやい時間はまだまだ涼しい時代でした。
 今は北極の氷が減少して、ホッキョクグマの生態系がくずれてきているともいわれています。暑さ対策をしっかりした上で、それができない地球上の動植物や、戦争や争いでつらい思いをしている人たちに心を置いて過ごしたいと強く思います。

 

 

令和6年8月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫

 

 

 


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