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矢崎節夫館長コラム 「燕の母さん」 2021年6月1日
燕の母さん
ついと出ちゃ
くるっとまわって
すぐもどる。
つういと
すこうし行っちゃ
また戻る。
つういつうい、
横町へ行って
またもどる。
出てみても、
出てみても、
気にかかる、
おるすの
赤ちゃん
気にかかる。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
今年も記念館の通路につばめが帰って来てくれて、もう巣立ちの準備を始めたのや、お母さんからエサをもらう、にぎやかでかわいい声が聞えています。自粛自粛と人間の私たちの時間は重苦しい時間で止まっているような日々ですが、地球上の他の動植物は変わらず日々変化し続けていて嬉しいですね。かわいいつばめの赤ちゃんの声を聴くだけで、明るく元気な気持にしてくれます。
今年は巣からひなが落ちないように、館の人がかわいい囲いを作ってくれたのも、嬉しい出来事です。つばめの母さんと同じにひなの事を気にかけてくれる職員が生まれたことは館として大きな前進です。
館の向かいのお宅の軒下には細長いつばめの出入口があけてあります。鯨や魚だけでなくつばめにも優しく接している、仙崎の人の深い想いが感じられ、かわいい囲いと共に、是非ごらん下さい。くれぐれも御自愛下さいますように館員一同心から願っています。
令和3年6月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫