ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 金子みすゞ記念館 > 記念館メニュー > コラム > 矢崎節夫館長コラム 「空の鯉」 2020年5月1日

本文

矢崎節夫館長コラム 「空の鯉」 2020年5月1日

ページID:0030736 更新日:2020年5月1日更新 印刷用ページを表示する

空の鯉

 

お池の鯉よ、なぜ跳ねる。

 

あの青空を泳いでる、

大きな鯉になりたいか。

 

大きな鯉は、今日ばかり、

明日はおろして、しまわれる。

 

はかない事をのぞむより、

跳ねて、あがって、ふりかえれ。

 

おまえの池の水底に、

あれはお空のうろこ雲。

 

おまえも雲の上をゆく、

空の鯉だよ、知らないか。

 

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 

 

 新型コロナウイルスの広がりで、日本だけでなく、世界中の人の心が疲れている今こそ、みすゞさん!と思えるうれしいニュースがアメリカから入りました。

 アメリカの公共ラジオ局のブックレビューで、「困難な時、心を解放してくれる本」の一冊に「ARE YOU AN ECHO」、デイヴィッドさんとサリーさん訳を、羽尻さんの絵と坪井さんの協力で生まれたみすゞさんの絵本が選ばれて紹介されました。

 みすゞさんの作品は日本だけでなく、世界中の人の心を元気にしてくれるのですね。

 この絵本「こだまでしょうか」はジュラ出版局から翻訳され、記念館でも手に入ります。

 つらい時、不安な時、じっとかたまらず声に出して、「つらい」「くるしい」といっていいのです。声に出すということは、からだにたまった重たいものを、外にだしてくれる深呼吸の一つですから。

「空の鯉」声に出して読んでください。きっと元気がでてきますよ!

 

                                             令和2年5月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫


記念館職員の日記