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矢崎節夫館長コラム 「明るい方へ」 2020年4月1日
明るい方へ
明るい方へ
明るい方へ。
一つの葉でも
陽の洩るとこへ。
藪かげの草は。
明るい方へ
明るい方へ。
翅は焦げよと
灯のあるとこへ。
夜飛ぶ虫は。
明るい方へ
明るい方へ。
一分もひろく
日の射すとこへ。
都会に住む子等は。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
新型コロナウイルスの広がりで、心身共に萎縮しがちですが、おかわりありませんか。
こんな時だから、小学生の男の子からの嬉しい手紙を思い出しました。
「ぼくにとって、みすゞさんの詩は百科事典です。知らないことをいっぱい教えてくれます。」
本当にそうですね。東日本大震災の時には、みすゞさんの「こだまでしょうか」で、多くの人が大事なことを思い出して、乗り切る力をもらいました。
数カ月先が読めない今は、みすゞさんの「明るい方へ」の中の“明るい方へ/明るい方へ。”と口ずさみながら、一人ひとりが守るべき事を守って、みんなで乗り越えていけたらいいですね。
どうぞみすゞさんの詩が、みなさんの元気の糧になりますように。
一日もはやく記念館でみなさんとお会いできますことを楽しみにしています。
令和2年4月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫