ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 金子みすゞ記念館 > 記念館メニュー > コラム > 矢崎節夫館長コラム 「星とたんぽぽ」 2019年9月1日

本文

矢崎節夫館長コラム 「星とたんぽぽ」 2019年9月1日

ページID:0028131 更新日:2019年9月1日更新 印刷用ページを表示する

星とたんぽぽ

 

青いお空の底ふかく、

海の小石のそのように、

夜がくるまで沈んでる、

昼のお星は眼にみえぬ。

 見えぬけれどもあるんだよ、

 見えぬものでもあるんだよ。

 

散ってすがれたたんぽぽの、

瓦のすきに、だァまって、

春のくるまでかくれてる、

つよいその根は眼にみえぬ。

 見えぬけれどもあるんだよ、

 見えぬものでもあるんだよ。

 

                     「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 

 

 八月末の記録的大雨のニュースを見るたびに、心が痛みます。一日でも早い復旧と日常生活に戻られますことを強く願っています。

 さて、平成二十九年度から建設を進めていた長門市役所新庁舎が完成し、とても嬉しいご報告があります。

 新庁舎の外構擁壁にみすゞさんの詩が彫刻されていて、工事中にご覧になった市民の方から、「ガラスアートに、みすゞさんの『私と小鳥と鈴と』が彫られていて、興奮して、嬉しくて全部詠みました」とのこと。市民の方がこんなに喜んでくださって、みすゞさんだけでなく、私たちも倖せな気持ちになります。どうやら『星とたんぽぽ』や『大漁』も彫られているようです。嬉しいですね。

 全集が出版されて三十五年、長門市の計らいは夢のようです。是非、長門市役所のみすゞさんに逢いにおでかけください。又、次回、ご報告いたします。

 九月が平穏で、心楽しい月でありますように。

 

                                            令和元年9月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫


記念館職員の日記