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矢崎節夫館長コラム 「お日さん、雨さん」 2019年5月1日

ページID:0026709 更新日:2019年5月1日更新 印刷用ページを表示する

お日さん、雨さん

ほこりのついた

芝草を

雨さん洗って

くれました。

 

洗ってぬれた

芝草を

お日さんほして

くれました。

 

こうして私が

ねころんで

空をみるのに

よいように。

 

         「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 

 「お日さん、雨さん」を読むと、なにかとってもうれしい気持ちになるのは、私は私一人で生きているのではなくて、宇宙全体に守られていることが感じられるからでしょう。

 お日さん雨さんも、「こうして私が/ねころんで/空をみるのに/よいように。」してくれているなんて、なんと倖せなことでしょうか。

 私たちのまわりにあるものは全て、私とつながっていると思うと、私という存在そのものが、本当にかけがえのない大事な存在だと気づかされます。

 新しい環境で、緊張することの多かった4月を過ごした人に、ぴったりの詩ですね。

 どうぞ声に出した後に、空を見上げて、大きく深呼吸して、大空を胸いっぱいにすい込んでください。きっとあなたが青空色にそまることでしょう。

令和になっても、ほっとできる記念館でありたいと館員一同、お待ちしています。

 

令和元年5月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫


記念館職員の日記