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矢崎節夫館長コラム 「明るい方へ」 30年8月1日
明るい方へ
明るい方へ
明るい方へ。
一つの葉でも
日の洩るとこへ。
藪かげの草は。
明るい方へ
明るい方へ。
翅は焦げよと
灯のあるとこへ。
夜飛ぶ虫は。
明るい方へ
明るい方へ。
一分もひろく
日の射すとこへ。
都会に住む子等は。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
大水害、猛暑、台風と大きな被害にあわれたみなさまに、心よりお見舞いを申し上げます。一日も早い再建を願っております。
大きな被害を受けられた地域の一つ、呉市の折出浩一さんから希望を持てる便りをいただきました。
「・・・断水で近くの小学校に水を汲みに行くと、数名の小学生が待っていて、お年寄りを手伝っていました。呉の中心部では、高校生が『○○高校は水が出ます』と書いた段ボールを掲げて市民に知らせていましたし、近くではお年寄りに寄り添って水を持って坂道を上がっていく高校生の姿を目にしました。小学生、中学生、高校生が自分のできることを考え、何とかしようとがんばっている姿に元気をもらいました。子どもたちは、大人にとっての希望とつくづく思いました」
本当に子どもは大人にとって宝物ですね。
八月が穏やかな日でありますように。そして、疲れたお心が少しでもホッとできる記念館でありたいと、館員一同お待ちしています。
平成30年8月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫