本文
矢崎節夫館長コラム 「空の大川」 30年7月1日
空の大川
空の川原は
石ころばかり、
ころりころりと
石ころばかり。
青い川すじ
しずしずゆくは、
細い白帆の
三日月さまよ。
夢とながれる
ながれのなかに、
星もうかぶよ
笹船のように。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
天の川がよく見える7月になりました。
夜空を見あげると、ほぼ真上にひときわ大きく輝いている星があります。七夕で織姫星と呼ばれる「こと座」のベガです。
ベガと天の川をはさんで明るく輝いている星が、彦星と呼ばれる「わし座」のアルタイルです。ベガとアルタイルを結んで三角形になる方向に、もう一つ輝いている星があります。「はくちょう座」のデネブです。
これを夏の大三角形といいます。
地球とベガの距離は約25光年、アルタイルとは約17光年、デネブとは約2,000光年といわれています。1光年とは光が1年で進む距離です。ということは、私たちがベガを見つけたその瞬間に、約25年前に生まれた光が、私たちの目に到着したということですね。
なんと壮大な瞬間なのでしょう。
長門市にはみすゞさんの見上げた空があります。どうぞみすゞさん体験をしにおでかけください。スタッフ一同、お待ちしています。
平成30年7月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫