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矢崎節夫館長コラム 「お勘定」 30年4月1日
お勘定
空には雲がいま二つ、
路には人がいま五人。
ここから学校へゆくまでは、
五百六十七足あって、
電信柱が九本ある。
私の箱のなんきん玉は、
二百三十あったけど、
七つはころげてなくなった。
夜のお空のあの星は、
千と三百五十まで、
かぞえたばかし、まだ知らぬ。
私は勘定が大好き。
なんでも、勘定するよ。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
金子みすゞ記念館は、4月11日で16年目に入ります。仙崎には道の駅センザキッチンが生まれ、4月7日には長門おもちゃ美術館も開館し、新しい長門の顔がふえました。
町中がワクワクうれしい4月です。
『お勘定』の中でみすゞさんは“ここから学校へゆくまでは、/五百六十七足あって、/電信柱が九本ある。”と歌っていますが、大正10年4月7日付、山陽電気株式会社申請書の仙崎道路占用願図画によると、みすゞさんの家から小学校までは、本当に電信 柱が9本になっているそうです。
みすゞさんの作品を読むと、場面が映画のように浮かぶのは、単なる空想ではなく、事実に基づいて歌っているからですね。
今は仙崎小学校の位置は少し変わっていますが、今日もお勘定しながら歩いている、かわいい一年生がいることでしょう。
新しい仙崎に出合いに、どうぞおでかけください。館員一同、お待ちしております。
平成30年4月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫