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矢崎節夫館長コラム 「角の乾物屋の」 29年5月1日
角の乾物屋の ―わがもとの家、まことにかくありき―
角の乾物屋の
塩俵、
日ざしがかっきり
もう斜。
二軒目の空屋の
空俵、
捨て犬ころころ
もぐれてる。
三軒目の酒屋の
炭俵、
山から来た馬
いま飼葉。
四軒目の本屋の
看板の、
かげから私は
ながめてた。
「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局
日差しが強くなったので、記念館の隣りの白井商店に橙地に白と青の縦線の入った、大きなのれんがかかりました。
のれんには「角の乾物屋 白井商店」と書かれていて、みすゞさんの『角の乾物屋の』にでてくるお店です。こののれんがでると、みすゞ通りがぱっと明るくなります。
仙崎には真ん中を通っているみすゞ通りの他に、横道、細道、裏道がいくつもあって、よくお寺にでます。お寺には掲示板が立っていて、書いてある文を読むのも、仙崎の町を歩く楽しみの一つです。
先月の圓究寺さんには、「過去と他人はかえられないが、未来と自分はかえられる」と、遍照寺さんには、「これからが これまでを決める」とありました。どちらも声に出して元気をもらえる言葉でした。
5月は大型連休を含め、毎年、たくさんの方が記念館をお訪ね下さる月です。
館員一同、楽しみにお待ちしています。
平成29年5月1日
金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫