○長門市立図書館資料収集及び廃棄規程
| (平成18年6月21日教育委員会訓令第3号) |
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(目的)
第1条 この規程は、図書館の資料を常に新鮮で有効な利用状態に整備・維持し、市民の生活に役立つ魅力ある資料構成の円滑な更新を目的として、資料収集及び廃棄の基準を定めるものとする。
(基本方針)
第2条 公共図書館の役割、利用者各層の要求及び社会的な動向を十分配慮して、広く市民の文化、教養、調査、研究、趣味、娯楽等に資する資料を収集する。
2 収集にあたっては、日本図書館協会が1954年に採択した『図書館の自由に関する宣言』(1979年改訂)に基づいて行われ、外部の圧力や干渉に左右されてはならない。政治・思想・信条・宗教等の資料に関しては、公平、平等、自由な立場を堅持し、多様な主張を幅広く網羅的に選択する。
3 資料の選択にあたっては地域性を尊重し、長門市行政資料等の郷土資料整備に努める。
(各館の収集資料)
第3条 各館はその施設規模、地域性に応じた蔵書構成に努め、全館における体系的な資料充実を図るものとする。
2 本館は長門市の中心館として、参考図書、郷土資料、視聴覚資料その他分館等のサービスを補完する資料の収集に努めるものとする。また、障害者のために、大型活字本、録音図書等の資料を収集する。
3 分館は、市民の一般教養、実用、趣味及び娯楽等に資する資料、視聴覚資料のほか、調査研究のための基礎的資料を収集する。
4 移動図書館は、児童書及び実用、趣味、娯楽等の資料を中心に収集する。
(収集資料の種類)
第4条 収集する資料は、次のとおりとする。
(1) 図書(一般図書・参考図書・児童図書・紙芝居・洋書)
(2) 逐次刊行物(雑誌・新聞)
(3) 郷土資料
(4) 視聴覚資料(ビデオ・CD・LD・DVD)
(5) 障害者用資料(大型活字本・点字図書・録音図書)
(6) その他
(資料別収集方針)
第5条 資料の種類別収集方針は、次のとおりとする。
| 1 | 資料の収集については、購入を原則とするが、自費出版物や市民よりの寄贈も活用するものとする。ただし、寄贈は図書のみとする。 | ||
| (一般資料収集) | |||
| 2 | 一般資料収集基準は次のとおりとする。 | ||
| (1) | 利用度が高いと予想できるタイトルを選択する。ただし、漫画はこの範囲でない。 | ||
| (2) | 重点的分野を設け選択する | ||
| 1) | 郷土関係資料 | ||
| 2) | 地方自治体資料 | ||
| (3) | 利用者の購入希望を参考にして選択する。 | ||
| (4) | 基本図書として辞書、百科辞典、年鑑、統計、人名・地名辞典、地図図鑑、書誌類等の参考図書を含めたものを選択する。 | ||
| (5) | 内容・著者・出版社・印刷製本・形態・価格についてふさわしいか、どうか吟味し選択する。 | ||
| (6) | 同一資料は、一冊を原則とするが、利用度の高いものについては、それに応えるため二冊以上選択することができる。ただし、一時的に話題性が強い資料については、将来の複本処理を考慮して、選定段階で調整する。 | ||
| (参考部門基準) | |||
| 3 | 参考部門選択基準は、次のとおりとする。 | ||
| (1) | 編者・執筆者が、その分野に適任者であるか。 | ||
| (2) | 出版社が良心的で権威があるか。 | ||
| (3) | 改訂版については、改訂の程度はどうか。 | ||
| (4) | 内容の正確さ、範囲、程度はどうか。 | ||
| (5) | 索引・参照・参考文献がついているか。 | ||
| (6) | 造本の堅ろう性はどうか。 | ||
| (7) | 類書と比較検討のうえ選択する。 | ||
| (8) | 極めて専門的な資料で、利用者が極少数者に限られる高価本は慎重に選択する。 | ||
| (青少年部門収集基準) | |||
| 4 | 青少年部門選択基準は次のとおりとする。 | ||
| (1) | 児童・生徒の、知的で情熱的な経験を広げることができるか。 | ||
| (2) | 明確で簡潔に書かれ、児童・生徒の想像力に訴えることができるか。 | ||
| (3) | 生活や娯楽、教養のための情報を主題とした図書を幅広く選択する。 | ||
| (4) | 深い感銘を与え、読みつがれた本、現代を生きる子どもたちに支持されている本、大人や教師が薦めたい本等を収集する。 | ||
| (5) | 知識本(哲学・歴史・科学・伝記等)は内容が正確であり、表現が適切であるものを収集する。 | ||
| (幼児部門) | |||
| 5 | 幼児部門選択基準は次のとおりとする。 | ||
| (1) | 絵本の絵は、特に強く印象に残るもので美しいもの、文は心地よいリズムを持ち、場面から場面へ自然かつ効果的に流れているものを、そして文と絵が互いに溶け合って、相乗効果のあるものを選択する。 | ||
| (2) | 絵本は、子どもの興味、能力、知識に合っているものを選択する。 | ||
| (3) | 構成がわかりやすく、表現が具体的で、テーマのはっきりしたもの、登場人物が魅力的であるもの、幼見性に根ざした子どもの論理で描かれたものを選択する。 | ||
| (4) | 民話、神話、伝説は再話が適切な表現を用いているものを選択する。 | ||
| (5) | 知識絵本は、絵本としての楽しさ、科学としての正確さを備えたものを選択する。 | ||
| (視聴覚資料部門) | |||
| 6 | 視聴覚資料部門選択基準は次のとおりとする。 | ||
| (1) | ビデオテープ・DVDは著作権処理されているものから選択し、劇場公開後、原則として3年を経過したものを選択する。 | ||
| (2) | 趣味、教養を高める内容のものを選択する。 | ||
| (3) | CDは、クラシック、民族音楽を中心に代表的指揮者・作曲者・演奏者の作品を収集する。 | ||
(収集不適切な資料)
第6条 資料を選択する上で、次の資料は選定しないものとする。
(1) 個人の所有物として楽しんだり、書き込み形態をとった資料
(2) 耐久性に欠ける資料
(3) 内容に残虐性、性を商品化した記述がみられる資料
(更新の基準)
第7条 蔵書を永久に保存することを目的としない図書館では、蔵書の一部を除去して、書架の合理的な利用を図るとともに、常に質の高い新鮮な資料構成を維持し、利用者の利用に供するため、蔵書の更新を行う。
2 長期にわたり所在を確認できない資料を明確にし、現存する資料を正確に把握するとともに、必要な資料の補充を行い適正な資料構成の維持に努める。
(形態的基準)
第8条 書き込みがある、切り取りがある等、破損している図書は、発見しだい別置して、次のような処置を行う。
(1) 簡単に直せるものは、補修して書架に戻す。
(2) 辞典・参考図書など、買い替えのできないもの、内容がまだ新しくて有効なもの、買い替えよりも製本費の安いものは、再製本する。
(3) 補修や再製本のできないほど破損した場合は廃棄し、代わりが必要であれば、同一図書を新版・古書で購入、あるいは類似の図書を購入する。同一図書を購入する際は、基本的な図書で同類書がなく、しかも利用の多いものに限る。
(内容的基準)
第9条 図書の内容が社会の変化からとり残されたものや、新版が出たあとの旧版、総合版・累積(年)版を購入した後の分冊版は、原則として除架し、最新版、総合版・累積版を書架に出す。
(図書の除架)
第10条 除架する図書は次のとおりとする。
(1) 進歩の激しい学問・産業分野での、内容や理論が時代遅れになったもの
(2) 改訂版が出たもの。ただし改訂版が全く別の著者である場合は、両版とも必要。
(3) 法令、規則、基準などが改正されたもの
(4) 変化の激しい社会事情を直接反映する分野の図書で、一時代古い時期に出されたもの
(5) 新しい統計・数値を掲載していないもの
(6) 5年以上貸出されなかった文庫本、実用書、中間小説等
(利用状況による基準)
第11条 かつて強い要求があって、多数の複本を購入したが、流行が過ぎて利用が激減した場合、通常は1冊だけ残してあとを廃棄する
(除去の対象とならない図書)
第12条 除去の対象とならないものは次のとおりとする。
(1) 古典・名著とされるもの
(2) 歴史的な内容をもち、他の資料に収録されていない情報を含むもの
(3) 基礎的理論書
(4) 他に同類書がないもの
(5) 高価で、めったに刊行されることのないタイプの図書
(廃棄の基準)
第13条 廃棄の対象となる資料は、第14条から18条に掲げるものとする。
[第14条]
(亡失、不明資料)
第14条 亡失、不明資料は次のとおりとする。
(1) 利用者が紛失した資料で絶版、再版未定、廃盤等により同一の現品で弁償が不可能となった資料
(2) 地震、水害、火災、盗難等の不時の災害や事故、その他やむを得ない理由により亡失した資料
(3) 利用者の転出等により、貸出時から5年以上経過してもなお回収が不可能となった資料
(4) 蔵書点検で引き続き5回以上所在が不明となった資料
(破損、汚損資料)
第15条 破損、汚損資料は次のとおりとする。
(1) 破損、汚損等が甚だしく、修理不能又は修理、製本する価値のない資料
(不用資料)
第16条 不用資料は、次のとおりとする。
(1) 学問、技術の進歩又は時間の経過等により、記述内容がすでに資料的価値を失った資料
(2) 新版、改訂版等の入手により、利用価値がなくなった旧版資料
(3) 複本があり、利用要求が少なく保存する必要のない資料
(4) 受入後、相当期間所蔵しているもので利用要求が著しく少なくなり、将来にわたり長く保存する必要のない資料。なお、相当期間とは10年前後を目安とする。
(5) 新聞、雑誌で保存年限(1年)を経過した資料。ただし、長門時事及び県指定分を除く。
第17条 数量更正
(1) 分冊または合本しようとする資料
第18条 保管換え
(1) 所蔵を異にする課、所へ管理を換えようとする資料
(適用除外)
第19条 次に掲げる資料は、原則として第13条の廃棄の対象から除外する。
[第13条]
(1) 司文庫資料
(2) 郷土資料
(3) 参考図書
(4) 各分野の基礎的な全集、叢書類
(5) 品切れ、絶版等で入手が困難で、かつ資料的価値のあるもの、初版本
(6) 類書がないか、又は極端に少ない資料
(廃棄の手続き)
第20条 廃棄にあたっては、物品(返納移管)書を作成し、廃棄決裁の手続きを教育委員会にて終えた後、コンピューターデータ及び図書原簿を消去し廃棄する。
(現品の処分)
第21条 廃棄した資料のうち現品があるものについては、次のように処分する。
(1) リサイクル資料として利用できるものは、リサイクル用の処理を施し、公共施設その他公共団体等に無料で提供することができるものとする。
附 則
この訓令は、平成18年6月21日から施行し、平成18年4月1日から適用する。