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矢崎節夫館長コラム 「空の色」 2020年9月1日

ページID:0032222 更新日:2020年9月1日更新 印刷用ページを表示する

空の色

 

 

海は、海は、なぜ青い。

それはお空が映るから。

 

空のくもっているときは、

海もくもってみえるもの。

 

夕焼、夕焼、なぜあかい。

それは夕日があかいから。

 

だけどお昼のお日さまは、

青かないのに、なぜ青い。

 

空は、空は、なぜ青い。

 

「金子みすゞ童謡全集」JULA出版局

 

 

 

 猛暑の八月が終りましたが、みなさんおかわりありませんか。

 みすゞさんは『空の色』の中で、“空は、空は、なぜ青い。”と歌っています。

 みすゞさんの「なぜ」は、その原因や理由を考える、自分に向けての言葉ですが、今年のように非日常の生活を続けなければならなくなると、心身共に疲れて、ついこの「なぜ」をまわりの人に使いがちになります。「なぜ出来ないの」「なぜわからないの」と。

 こんな時、みすゞさんなら「なぜ」ではなく、「どうしたら」に変えるような気がします。「どうしたら出来るかな」「どうしたらわかるかな」と、相手側に立って言葉を使ったでしょう。

 言葉は、その人の心柄が見えるものです。

 どうぞこの機会に、もう一度みすゞさんの詩集をひらいて、ご自分の中のみすゞさんに出合って下さるとうれしいです。

 館員一同元気でご来館をお待ちしています。

 

                                             令和2年9月1日

金子みすゞ記念館 館長 矢崎 節夫


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