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3月25日(土曜日)、長門市中央公民館で「地域産木材を活用した木造建築シンポジウム」が開催され、市民や建築業関係者などが参加しました。
この日ははじめに、大西市長が「本市では、1次産業の振興と従事者の所得向上を目指す中で、山を生かす道として、学校や市営住宅、「センザキッチン」の建設において木材の活用を進めてきました。新庁舎の建設は、終わりではなく始まりです。山が元気になり、人が戻ってくる取組を、皆さんとともに進めていきましょう」とあいさつしました。
東京都市大学の大橋好光教授による基調講演では、2010年5月に成立した「公共建築物木材利用促進法」によってこれまでの方針が180度変わったこと、現在は学校やビル、コンビニエンスストアといった多様な分野で木造建築が進んでいること、耐火性能を向上させるための木材の構造などが紹介されました。
その後、地域材を活用し、全国初となる木造耐火の文化ホール「南陽市文化会館」を建設した山形県南陽市の塩田秀雄前市長が事例発表を行い、「木材の需要が高まれば供給する体制も整い、雇用が生まれるだけでなく、山が守られるという好循環につながっていく」と話しました。続いて2つ目の事例発表として、株式会社東畑建築事務所の中村文紀理事から、木造とRC造による、5階建てハイブリッド構造の長門市役所新庁舎の建築計画が発表されました。
最後に、木材の活用、加工や建築などに携わる5人のパネラーによるパネルディスカッションが行われ、「子どもから大人まで幅広い世代に親しんでもらえるのが木の魅力なので、今後は触って、見て、良さを感じてもらう機会づくりを進めていきたい。新庁舎の建設は、地場産業の発展につなげていけるような、モデルケースとなることを期待したい」といった意見が出されました。