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豊作を願って、虫除けのサバー送り

ページID:0023055 更新日:2018年6月30日更新 印刷ページ表示
担ぎ出される「サバーサマ」と「サネモリサマ」

担ぎ出される「サバーサマ」と「サネモリサマ」
虫除きの神事により浄められる
今年の送り継ぎを行った上郷地区の住民
わら人形は、長さ2m、高さ1mの大きさがある
オゴクと呼ばれるお米を固めたサバーサマのお弁当とされるもの。食べるとご利益があるという

  6月30日(土曜日)、山口県無形民俗文化財に指定されている「サバー送り」が行われ、「サバーサマ」「サネモリサマ」と呼ばれる騎馬武者姿の2体のわら人形が、東深川の飯山八幡宮を出発しました。

 「サバー送り」は、稲につく害虫を追い払う農耕儀礼の一種で、田植えを終えた6月終わりから7月上旬にかけて行われます。「サバーサマ」は、稲の害虫ウンカを神格化したもの、「サネモリサマ」は、源平合戦の篠原の戦いで討たれた平家の武将 斎藤実盛を指しています。斎藤実盛は、乗っていた馬が稲の切り株に足を取られたことが原因で討ち死にし、その怨念が稲の害虫となったという言い伝えが残されています。

 わらと竹で作られたこの2体の人形は、事前に藤中の住民によって作られ、送り継ぎは上郷、江良、中山、藤中の4地区による輪番で行われます。今年は上郷地区の8名が送り継ぎ、「オゴク」と呼ばれるお米を固めた「サバーサマのお弁当」とあたるものを民家に配りつつ、日置の長崎にある隧道まで運びました。

 2体のわら人形は、その後も各地域を自治会や子ども会によって送り継がれ、最後は、下関市豊北町粟野まで運ばれます。その後の順路は不明ですが、燃やされたり、下関市湯玉の犬鳴峠から「サバーサマ、カラヘイケ」と唱えながら海に流されるそうです。虫送りは、全国的に見られる行事ですが、わら人形を使い広域に渡って送り継がれることは、全国的にも大変稀な行事です。